卒業生から


作家と呼ばれるようになって4年が過ぎました。すばる文学賞受賞当時、編集者から「単行本を1冊出すのは誰でもできる。単行本3冊、文庫1冊を出して初めて本物の作家」と言われましたが、半年に1回新作を発表、他誌からも執筆依頼が来るようになり、やっとペースがつかめてきました。
大妻時代の友人から、「本を読んでいることが多かったね」と言われますが、大学の頃は自分がものを書くようになるとは思っていませんでした。社会人になってからも、何が書きたいかわからなかったし、書く力もないと思っていた。それが30代になって夫の転勤で知らない土地に行き、友人もいないなか書き始めてみたら、書きたいことがどんどんわき出して来たのです。大学で学んだこと、社会人としての経験や人間関係など、自分のなかにインプットしてきたものが土台としてあるからこそ書けるようになり、今も書き続けることができるのだと思います。
一人で小説の構成を考えていると、「面白くないかも」といったマイナス思考に陥ることもあります。それでも書き続けるのは、読む人の目にシーンが浮かぶような、何度も読み返したくなるような物語を書きたいという思いからでしょうね。もちろん編集者の存在も欠かせませんが、高い評価を受けるのも酷評されるのもすべて自分。だからこそ納得のいく作品を生み出したいと思っています。1作ごとにハードルを上げ、挑戦し続ける。そんな強い気持ちで、これからも作品を生み出したいと思っています。
Profile
大学卒業後、秘書として勤務、結婚?夫の転勤をきっかけに退職し、独学でシナリオの書き方を学ぶ。
2006年 『リトルプリンセスニ号』で第34回創作ラジオドラマ脚本懸賞公募(現?創作ラジオド
ラマ対象)の最優秀賞受賞。
2007年 『はじまらないティータイム』で第31回すばる文学賞を受賞。
その後も定期的に小説すばるに作品を発表している。
2011年7月、『東京ロンダリング』刊行予定。

株式会社吉德
大学では古典文学を中心に学びました。そこで実感したことは、いつの時代も大切な人を思う気持ちは一緒で、現代においても、日本の伝統的な文化や行事は大切なものだということでした。卒業後は、創業300年あまりの老舗に就職し、雛人形などの日本人形や和雑貨の販売?接客を担当しています。大学で身につけた文学知識は、お客さまに商品を説明する場でも生かされ、日々、伝統文化を継承する大切さと喜びを感じています。今後は、日本の文化や商品知識をより深め、老舗の販売員という誇りと責任感を持って、今以上に仕事に取り組んでいきたいです。
沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载 2014年3月卒業
伴 奈花子

東京都立篠崎高等学校(国語科教諭)
幼い頃から学校と国語が好きで、大学で古典分野を中心に学び、古典の楽しさを伝えたいと高校の教員を志望しました。現在、国語科教諭のほか3年生の担任を務めていますが、 学年の進路指導担当としても、進路実現を目標に進路行事の企画?実行をしています。生徒が目標を達成できた時や、成長を感じた時はとても嬉しく、この仕事にやりがいを感じます。 思い返せば、大妻でのレポート作成や発表を通して、丁寧な資料作成や生徒に伝わる話し方の大切さを学んだことが、現在の職に生かされていると思います。今後もより多くの生徒に古典や国語の楽しさを伝えられるよう励みたいです。
沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载 2011年3月卒業
熊澤 寧那