沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载の13人 第二回 桜井先生と井原先生

みなさん、前期授業も終わり、試験やレポート提出は無事にできましたか?
試験期間中に試験が行われる授業もありますから、6日までは、まだ油断できない状況の学生さんもいらっしゃるかもしれません。
ぜひ前期末最後まで気を抜かずにがんばってくださいね。

さて、鎌倉殿(ではなく)沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载の13人。「連続企画先生方のご紹介コーナー」ですが、第二回は、桜井宏徳先生と井原あや先生に質問して参りました。
ここ数年で、大妻に長らく貢献してくださった先生方が続けてご退職になられ、後任として着任された新しい先生方がいらっしゃいます。

今回はその先生方の中から、着任の順番でお二人に伺って参りました。

2019年4月に着任された、桜井先生。ご専門は日本中古文学。
平安時代の仮名文学(物語?日記?和歌など)と、平安時代から江戸時代までの歴史物語を研究していらっしゃるそうです。
現在の研究の中心は『栄花物語』ですが、授業では和歌を扱うことが多いとのこと。

質問の内容は、第一回と同じものが多いです。先生方のご希望で違う質問になる場合もあるので、楽しみにしていてください。

―桜井先生は大学時代、卒業論文をどんなテーマでお書きになられたのですか?

「『大鏡』における怨霊譚の研究」です。『大鏡』をやる人は当時珍しくって。まだ手書きの時代でした。

―『源氏物語』ではなかったのですね。

はい、もともと、歴史が好きで。指導教員の先生に「『源氏物語』をやる人はいっぱいいるので埋もれてしまうから、『大鏡』で行け」とアドバイスをもらって。
本当は一度『源氏物語』に行きかけたんですけど、また先生に止められて。うまく先生の売り出し戦略に乗って今があるので、結果的に先生は当たっていたことになりますね。

―歴史が好きだったのに、文学をご専門に学んでいらっしゃったのはなぜですか?

小学校6年生の時に読んだ永井路子さんの『この世をば』(新潮文庫)。これ、藤原道長を主人公にした歴史小説なんですけど、この本がきっかけで平安時代に興味を持ったんです。
歴史を学ぶ中でも、特に平安時代を学ぼうと思ったんですね。文学の研究者を目指すようになったのは、大学院に入ってからでした。

―難しそうな本のように感じますが、小学6年生が読んで面白い本なのですか?

まあ、このころって、読めない漢字飛ばし飛ばししながら読むじゃないですか。
そんなかんじで読んでましたよ。
ちなみに、『この世をば』の文庫本は現在では絶版になっていますが、大妻の図書館(多摩校ですが)にある『永井路子歴史小説全集』(中央公論社)の第5巻に入っています。

―先生方は大妻だけでなく、非常勤講師として他大学でも教えていらっしゃるそうですが、桜井先生から見て大妻の学生の様子はいかがですか?

私は大妻を含めて、今まで8つの大学で教えてきたんですが、とにかく教えやすいです。
授業は静かに聞くし、私語もない。授業態度で困ったことが一度もありません。
でも、学ぶことにもうちょっと積極的になってもいいかな、と思います。学年によって差はありますけれどね。真面目だけど受け身な印象です。
「これをやりなさい」と指示するとしっかりやってきてくれますが、自分から興味を持って読んだり調べたりして掘り下げてくれたら、もっと良いだろうな、と思います。
大学は教わるところではなく、自分から学んでいくところですので。

―最近読んで面白かったおすすめの本を教えてください。

三島由紀夫の『春の雪』(新潮文庫)です。
近代文学にも三島にも苦手意識があって敬遠していたのですが、きちんと読んでみて、平安時代の文学や貴族社会に興味のある人間にとって、こんなに面白い小説はない、と驚きました。
古典文学や仏教の膨大な知識に裏打ちされていながら、ちゃんとエンターテイメントになっている。一読の価値ありです。
2005年に映画にもなり、DVDも出ていますので、近代文学?中古文学に興味があったらぜひ触れてほしいと思います。

―先生はよく学校にいらっしゃいますから、学校でお仕事なさるタイプとお見受けしますが、貴重な休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

大妻に就職してからは、休日も学会の仕事をしたりして慌ただしくしているんですが、何か趣味を作ろうと思って、去年あたりから時々映画館に足を運ぶようになりました。
大学院生時代に台湾や香港、韓国の映画にハマっていたことがあるのですが、今はミニシアター系の邦画が好きです。

―最近はどんな映画を?

今年に入ってからのイチ推しは『恋は光』(小林啓介監督)ですね。2回観たのですが、もう1回くらい観たいな、と思っています。
先生のおすすめ映画はこちらです。
https://happinet-phantom.com/koihahikari/

桜井先生、たくさんお話しくださいまして、ありがとうございました。
話し始めると、頼んでいないのですが延々詳細に語ってくださる桜井先生。
サービス精神旺盛ですね。水の中に生息するまりものわたくしでさえ、お話におぼれそうでした。

おいしいごはんを追い求め、市ヶ谷?半蔵門界隈飲食店達人の道を歩む、桜井宏徳先生でした。

次に井原先生をご紹介いたしましょう。
2020年4月。まさにコロナウイルス第1波とされる時期に着任された井原先生。ご専門は日本近現代文学、国語科教育です。
太宰治の小説や1930年代~1960年代の小説、雑誌(文芸雑誌?女性雑誌など)を研究されているそうです。
文芸雑誌では、投稿欄や読者欄等を分析し、作家?投稿者?読者と〈文学〉の関係を考察していらっしゃるとのことです。

井原先生にも桜井先生と同じ質問をして参りました。

―井原先生は大学時代、卒業論文をどんなテーマでお書きになられたのですか?

太宰治の「女性一人称小説」と呼ばれる小説(「女生徒」など)についてまとめました。
当時読んでいた雑誌に、太宰治?三島由紀夫の特集が出ていて、友人もその雑誌を読んでいたので、
それから二人で太宰と三島の小説を読むことがちょっとしたブームになりまして、その延長線で。

―大学時代の友人というのは、一生ものですね。
いまでも、そのご友人とは交流あるのですか?

あります。大学時代の友人というのは、ある程度大人になってからの友人関係ですので、趣味なども合い、その後も長く続くのではないかと感じています。

―学生のみなさんも、大学時代の友人関係を、社会に出ても、ぜひ大切になさっていただきたいものですね。

―井原先生は、大妻女子大学で非常勤講師をなさった後、沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载の先生になられたわけですが、専任の先生になられる前から大妻にいらっしゃった井原先生から見て大妻の学生さんの様子はいかがですか?

たとえば授業では、課題でわからない点があれば、しっかり質問して課題に取り組む学生が多いように思います。
自分で解決しよう、という意識を持っている頼もしい学生が多いですね。

―桜井先生とはまた違ったご意見ですね!
大妻の日文は、いろんな学生さんがいるところが良い点ですね。

―最近読んで面白かったおすすめの本を教えてください。

向田邦子はドラマも〈食〉へのこだわりも好きで、ドラマは再放送していると録画して見ています。

?向田邦子『ベストエッセイ』(ちくま文庫)https://www.chikumashobo.co.jp/special/mukouda_kuniko/
?宇佐見りん「くるまの娘」(『文藝』2022?春季号) https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309030357/
?津村記久子『やりなおし世界文学』(新潮社) https://www.shinchosha.co.jp/book/331983/

―3つも挙げてくださりありがとうございます!
夏休み、一気に読めそうですね。
向田邦子の作品やドラマがお好きなのですね。昭和のドラマで高視聴率を取った放送作家ですが、没後40年以上経っても、若い読者層を増やす稀な作家ともいわれているようです。
学生さんたちの中でも、読み始めたら好きになる方がいるかもしれませんね。

―休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

授業準備や調べものがかなりの時間を占めています。
あとは毎週ではありませんが、靴磨きが好きなので、時間があれば靴磨きもします。

―先生はいつも素敵な靴をお召しになられていらっしゃいますが、扱いも丁寧にされているのですね。
なにか一つのこと、簡単な単純作業でも、無心に行うことができる時間を持つのはとても大切ですよね。先生方は研究や授業でたくさん頭脳を使いますから、そのような無心になれる時間はリフレッシュになるのかもしれませんね。

井原先生ありがとうございました。
コロナ感染防止を鑑み研修旅行も中止が続いておりますが、実は、隠れた京都通の、井原あや先生でした。

さあ、これから夏休みが始まりますね!

みなさん、コロナの感染対策を万全にしたうえで、学びの深い有意義な夏休みをお過ごしください。
水難事故、交通事故などにも、気を付けて、元気な姿で後期またお会いしましょう!

9月は内藤先生と金先生のご紹介から始める予定です。
お楽しみに。   まりりんより