沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载の13人 第八回(最終回)君嶋先生

みなさんこんにちは。まりもまりりんです。
みなさんは春休み、楽しくお過ごしですか?
わたくしまりりんも、水の温度が少し温かくなったように思う日がありますから、春はもうすぐそこ、ですね。

さて、「沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载の13人」シリーズ、最後のお一人は、君嶋亜紀先生です。
君嶋先生は、日本中世文学をご専門に研究されていらっしゃいます。
新古今時代と南北朝期を中心に、和歌の表現や歌集の構想について研究していらっしゃるそうです。武士が台頭し、戦乱や政争が相次ぎ、京都を中心にした古代の貴族社会が変質していった日本史上の転換期でもなお、王朝貴族社会で育まれた和歌は生き残りましたが、中世の人々は和歌に何を託し、何を表現したのか。和歌という詩的世界の表現方法を分析するとともに、和歌を通して中世の人々の「古」への憧憬や、伝統の継承と変容、時代?社会と表現との関わりについて考えていらっしゃるとのことです。
同時代の研究者小井土先生曰く、「中世の、華やかな方」が君嶋先生のご研究だそうです!
では、先生のご研究だけでなく、普段授業では聞けないようなお話を伺っていきましょう。

―君嶋先生は、大学時代の卒業論文に、なにをテーマにして書かれたのですか?
新古今歌人?藤原良経の本歌取りについて、です。

―本歌取りとは何ですか?
古歌の一部を摂取して、新しく作った歌のことです。
当時の人は、古いものへのあこがれがあったんですね。理想とされていた、というか。今でもありますよね。オマージュ、とか。下手するとパクリ、なんて言われてしまいますけど(笑)
そういった本歌取りの和歌の表現方法を分析する研究を卒論で取り上げました。

―卒論のテーマから、今のご研究に変化はありますか?
最近は、南北朝(もう一つの転換期)のあたりまでの期間を軸に研究をしています。授業では、南北朝はマイナーなので、小出しにしているのですけどね。

―南北朝という時代はどのへんなのですか?
鎌倉幕府滅亡からあとのあたりですね。『新葉和歌集』なんかがそうです。
この『新葉和歌集』は、現実が関わってくる。つまり歴史が関わってくるので、その点もおもしろいのですよ。
中世って動乱の時代なので貴族でも武士とか新興勢力でも、クセのある人々が多いじゃないですか。そういう人間を見ていくのが面白いのです。人間が好きなのです。(笑)

―どうして、中世文学を選ばれたのですか?
まず和歌は、中学1年生の時に、「冬休み明けに百人一首の大会するぞ~!」と国語の授業で言われて、じゃあ覚えちゃおう!と百首覚えたところがきっかけでしたね。
中世の歴史も好きだったので、それが今につながっているのではないかと思います。

―先生は歴女だったのですね。文学と歴史は切っても切り離せませんから、みなさん同じような傾向はあると思いますが、歴史以外で好きなこと…先生のご趣味は何ですか?
最近、趣味がないのですよ!
コロナでいろいろと制限されてしまったこともありますが、本当に忙しくて。趣味らしいものは20代のころまでは結構多くありましたが、最近なくなってしまいました。

―そうですか。先生方みなさん「時間があったら授業準備」とおっしゃっていらっしゃり、研究も進めていかれていて趣味に没頭する時間はなかなか取れませんよね。
映画なんかは見に行かれたりしないのですか?
映画、コロナ以前は映画館に行っていました。美術館、博物館、能楽、歌舞伎、それから寺社めぐり、旅行……どれも好きで行きますが、結局研究の延長上にあるような感じもします。100%個人的な趣味、というかんじではないかもしれません。

―そうですよね。でも、好きなことを仕事にできているのはうらやましい限りです。
君嶋先生は、ちょうどコロナで100%オンライン授業だったころにサバティカル研修に行かれていましたよね。その時に苦労したことは何でしたか?
「動けないこと」です。研修の受け入れ先の授業もオンラインで参加させていただきましたし、図書館の利用にも制限があって、図書館に一日中籠ったり、たまたま新たな本に出合って視野を広げる、といったことができなかったのは残念でした。……大妻の学生たちとある意味、同じ状況ですね。オンライン授業しか受けられなかった学生さんの気持ちも想像できます。
ちょうどオリンピックの前後で、すごく規制がかかっていたので、日本の中でもほとんど動けず、霧の中にいるみたいでした。

―緊急事態宣言で、人の移動をなるべくなくしていた時期でしたからね。
せっかく研究に没頭できる時間ですが、制限がある中では思うようにいかなかったと思います。大変でしたね。しかし、逆手にとって、「よかったこと」、などありましたか?
オンデマンドの授業、一年分作らなくて済んだこと!
―(笑)そこまで大変なのですね。学生のみなさん、ありがたく享受していきましょう。
それ以外ですと?
う~ん、引きこもっているしかなかったので、原稿は書けましたから、本のような大きな原稿に取り組めたことでしょうか。
とにかく、人との交流が失われたところはありましたね。

―学生におすすめの本などあったら教えてください。
じっくり楽しみのために本を読むことができず、読みかけの本ばかりなのですが……、ミア?カンキマキ『清少納言を求めて、フィンランドから京都へ』(草思社、2021年)という本が(読みかけですが)おもしろいですよ。沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载の学生にも楽しんでもらえるのではないかと思い、挙げてみました。
フィンランドの女性が、清少納言に引かれて京都にやって来て、「セイ、あなたは……」と語りかけながら、京都の凄まじい暑さや庭や歌舞伎や桜、いろいろなものを見て考えていくエッセイです。
遠い国に生まれた人が、その距離と時間を超えて、千年前の日本に生きた女性に共感して行動していく、その熱量が学生にとっても刺激になるのではないかと思います。

―おもしろそうな内容ですね!
大妻女子大学図書館にも蔵書されていますので、みなさんぜひ、読んでみましょう。
https://opac.lib.otsuma.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=1000376838&opkey=B167625779015031&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=6&cmode=0&chk_st=0&check=0

―では、先生方が一番悩む質問にいきましょう。
休日が取れたら、どうやって過ごしますか?
今までお答えになられた先生方と同じように、現実は、授業準備と原稿の締切に追われている感じです。
しかしここは、「休みが取れたら」と仮定として!妄想してみました。
桜を追って、全国を旅したいですねぇ。まずは京都、奈良など関西にはしばらく滞在して、北上していく……。桜が好きなので、一度やってみたいなあ、と思うのですが、大学は4月が一番忙しい時期なので、ここにいる以上は夢、ですね。
あとは、読みかけの本を数冊持って、海とか景色の良いところに泊って、ひたすら読む。

―先生は桜がお好きだったのですね。
大妻女子大学の近くにある千鳥ヶ淵の桜も、もうすぐ咲き始める頃ですね。4年生は社会へ旅立ち、新しく1年生が入ってきます。学生へなにか一言お願いします。
大学生という「大人だけど自由」な、いろいろな経験ができるはずの時期にコロナにあたってしまって不本意なこともあると思いますが、自分にとっての「いま」を大切に(人と比べなくてよいと思います)、いろいろなことに挑戦して視野を広げていってください。
授業ではどう発言させるか、いつも試行錯誤していますが……。発言はなくても、書いてもらうと面白くて、いろんなことを考えているとわかりますよね。その考えを、ちょっと勇気を出して自分から発信してみる練習だと思って、発言もしてほしいなと思います。
一緒に働く仲間になったら、信頼できる学生が多いと感じるので、その誠実さを他者に積極的に伝えられたらもっと社会で活躍できるはずです。自信を持ってほしいです。

君嶋先生、学生さんたちをよく見ていらっしゃいますね。
みなさん、先生はみなさんをとても評価されていらっしゃいます。その信頼を裏切らないように、学生生活も、その先の社会での活躍も、積極的に取り組んで進んで行ってくださいね。

歩く速さは競歩並み!よく転ぶけど、怪我をしない。君嶋亜紀先生でした。
君嶋先生、ありがとうございました。

一年間、沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载専任の先生方を紹介して参りました、「沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载の13人」。
先生方の授業中以外の様子、またご専門の研究とのなれそめなどを知ることができ、より一層先生方の魅力が増したのではないでしょうか。

来年度は、また新たな企画を検討中です。

大妻女子大学沙巴体育投注_沙巴体育官网-在线app下载の「いま」をお伝えできるようわたくしまりりん、光合成しながら知恵を絞っておりますので、来年度もお楽しみに!

まりりんより